イチローの使命

 作家の小松成美さんが講演の中で話されていたイチロー選手の話で、とても心が熱くなったのでちょっと紹介してみたいと思います。
 日本人野手として初めて大リーガーになり、多くの夢を与えてくれたスーパーヒーロー、イチロー
彼が日本球界から大リーグに行くときに、こんな話があったそうだ。
「僕が行ってもし失敗をすれば、日本の野手、バッターはメジャーでは通用しないということになるでしょう。その覚悟、そしてそれこそが自分の使命だと思っています。」
その傍らで、彼が尊敬する仰木監督イチローにこう言った。
イチロー、お前の席はいつでも用意しておく。1シーズンやってメジャーでは通用しないと思ったらすぐに帰ってこい。半年でも、3ヵ月でも、1ヵ月でももう無理だと思ったら帰ってこい。」
その仰木監督の優しさに触れながら、イチローはこう言ったそうだ。
「帰れません。1WAYチケットで行くつもりです。もし1年で自分が野手として通用しないと、メジャーのランディン・ジョンソンの160kmのボールを打ち返せないと思ったら、僕は引退します。そして二度と日本球界には戻りません。」
彼は自ら退路を断ったチャレンジをした。
彼は記録を目指して野球をしているわけではない。けれども、記録こそが人々の心に残ることも知っていた。日本の野手が、バッターがどんな記録を作り得るのか、それこそが彼の一つの使命であると語った。そして彼は心から野球を楽しんだ。彼は、「野球を仕事と思ったことが一度もありません。」といっていたそうだ。
彼は自分のミッションの達成のために、日々ひたすら努力をし、励んだ。
そして素晴らしい実績を残し、日本人野手の活躍の道を開いていったことはいうまでもないだろう。
いま日本人に一番足らないものは勇気だといわれる。イチロー選手のこの話はそんな我々に勇気を与えてくれる。イチロー選手、有難う!