対馬の観光客増員のヒント
お題は対馬の観光客増員のヒントと書いてはみたが、大層な話しではなく、私が今回対馬に行って感じたことを書いてみたい。
私が対馬を訪れるのは2回目になる。以前は上対馬に知人について行った。あれから10年近く経っているのではないかと思う。その間、対馬に行かなかったのは特段理由はない。嫌いな場所でもないし、かといって無茶苦茶行きたかった場所でもない。お金や時間がなかったわけでもない。それよりも他に行ってみたい場所がたくさんあったからだ。対馬に限らず、恐らく多くの観光客がそう思っているのではなかろうか。本当にその人にとって、特別な思いや出来事がない限り、観光におけるリピートはなかなか難しいのでないかと思う。
では今回私が対馬に行ったのは何故か、動機ができたからだ。今回私は祐気取りのために対馬の厳原を訪れた。祐気取りとは、平安時代から続く日本の伝統的なものだ。戦後、GHQによる教育によりこの手の教育は禁止されたため、このような慣習を知らない人も多いが、それでも今もひっそりと続いているのは、これをすることによるご利益があるのではないかと思う。私は今後、このような古来から続いている日本の慣習を実践する人が増えて来るのではないかと予想する。それには2つの理由がある。詳しい話はここではしないが、一つは戦後70年以上経ち真実の歴史が少しずつ明らかになってきたこと、もう一つが気という見えないエネルギー
が存在することを最新の科学が証明したことである。まだ多くの日本人はこの事実を知らないかもしれないが、時間の経過とともに徐々に認知され広まるものと思う。
対馬は福岡市からは北西、東京、大阪からは西の方角にあたる。私が学んだ気学では北西は財運アップ、西は恋愛運や小銭運などのアップのご利益があるらしい。実は福岡市から北西の方角はほとんど海であり、行く場所が限られている。例えば、私の家からであれば、北西にあたるのは志賀島、壱岐、対馬ぐらいだが、壱岐については場所によっては西にあたるため、ちょっと神経を使わなければない。また祐気取りは、1泊2日か2泊日で行けるできるだけ遠方が効果が高いと言われる。つまり住んでいる場所にもよるが、大方の福岡市民にとって北西に祐気取りに行く最適な場所は対馬だということになる。また首都圏や関西圏からは日本の最も西に位置し、ここにも大きなビジネスチャンスが眠る。
そういう意味では対馬は特別な場所なのかもしれない。しかし今回の対馬を訪問して、ちょっとだけ感じたのは、別の意味で対馬は特別だと思っている住民がいることである。特に年配者に多いのかもしれない。それを感じたののは、温泉施設でお風呂に入った時のことだった。地元のお年寄りと思われる方から、「どこからいらしたんですか?」と声をかけられた。「福岡です。」と答えると、その方は嬉しそうに対馬でここだけはみてください。と2つの場所を教えていただいた。そして対馬藩が昔は金持ちだったことや、対馬藩の旗は桐紋で豊臣家と同じ旗であったこと、江戸時代鎖国の中でも幕府の命令で韓国と密貿易をして薬などを調達していたことを聞かされた。また今度お札になる樋口一葉の上司で彼氏だった方の記念館があることも聞かされた。確かに対馬は、大陸に最も近い島であり、これまでの日本の発展や防衛面において、とても地理的に重要な位置にあり、重要な役割を果たしてきたと思う。特に今後の日韓や日中問題を考えると、その重要度はさらに増して来るだろう。しかし、一方では平和になった戦後の環境変化の中ではこの特別だという考え方は、一種の甘えやおごりになってしまい、対馬の経済の発展を妨げてしまったのかもしれないと、ふと思った。
対馬は自然に満ちあふれた美しい島だと思う。特に今回訪れた和多都美神社から鳥帽子岳展望所にかけてのポイントは絶景で魅了された。食も穴子の出荷量は日本一、サバやイカをはじめ、魚は鮮度が良く抜群に美味しい。温泉もある。人も優しい。物価も安い。しかし一方では、観光地の整備がされていない。道は狭く本当にここを通るのかと目を疑う場所も少なくないし、駐車場がないところも多い。対馬で一番と教えられた海神神社も然りだ。またここは手水舎が枯れており、清掃が不十分のような感じもした。できれば、お水取りができるところがあれば嬉しかったが、対馬にはそのような場所もなさそうだ。日本三代墓地の一つと言われる万松院も紹介用のパネルが埃を被っており、ガッカリした。このような神聖な場所が汚れていては町の繁栄はありえないと思う。会社でも同じだが、まず業績を改善するには整理整頓、清掃が大事だ。でないと、幸運の女神は降りてこない。折角いいものが沢山あるのに、自分たちで台無しにしてしまっているような感じがする。
私は対馬にはこれからも祐気取りに訪れることになると思うが、少しでも良くなってくれればと願う。