カンブリア宮殿の番組を中小企業診断士が読み解いてみたらvol.2『星野リゾート』

8月20日放送のカンブリア宮殿星野リゾートの代表の星野佳路氏でした。

 

過去に同番組には何回も出演されていますが、今回は新型コロナウイルスにより観光産業が大打撃を受けている中、どのような考えを持たれているか、興味深々の内容でした。

 

実は私も福岡県の中小企業診断士協会で観光産業活性化研究会という研究会の会長をしており、今後の観光産業の復興を探る者の一人でもあります。ですので、今回の放送はとても楽しみでした。

 

今回の内容は、過去の放送などから星野リゾートがどんな会社かの紹介があり、それから現状〜これからの取り組みについてが話しの主な内容ではなかったかと思います。

 

星野リゾートがどんな会社かはここでは詳しく語りませんが、一言でいうと、観光産業のリーダーではあり、沢山の顧客を魅了しファンにしている素晴らしい会社だと思います。

 

しかし、そんな同社でも今年の4月、5月は前年同月比8〜9割ダウン。倒産確率は38.5%だったそうです。星野社長が凄いのは、その事実を従業員一人一人に公開したことです。これは素晴らしいことです。従業員との日頃からの信頼関係がなければできることではありません。その証拠に、従業員もそれを知り、危機感から更にやる気が出たと話しています。もし信頼関係がなければ、恐らく従業員は辞めてしまっていたでしょう。従業員との日頃からの信頼関係づくりの大切さに改めて、気づかせていただきました。

 

星野社長は、人材を失ってしまうと、コロナ期に生き延びたとしても、コロナが終わっても回復はできない。と語られていました。その後もとにかく雇用を守らなければならないことを何度も語られていました。コロナはいつかは終わります。私もコロナ期は思い切った対策は難しいと思っており、収束後いかに勝負するかが大事で、そのためには最大の経営資源である人は守らなければならないと思います。

 

かといって、コロナ期においても自分達に今何ができるかを常に考えなければなりません。星野リゾートは、マイクロツーリズムに着目して徐々に成果を出しているようです。

 

マイクロツーリズムとは、地元の人が車で1〜2時間で行ける旅行のことで、近場の魅力を再発見するという狙いがあるようです。星野社長は意外と近場の観光地を知らない人が多いと語られていましたが、まさにその通りではないかと思います。近場は、いつでも行けるという思いから、後回しになってしまい、そのうち忘れてしまったり、行ったとしても、遠方に行くみたいに歴史などをちゃんと勉強してる人も少ないように思います。意外な盲点かもしれませんね。

 

私は平安時代から伝わる祐気取りも観光産業復興のヒントになるのではないかと思います。これだけ神社に毎年お参りに行く人が多いのですから、皆知らないだけでニーズはあるのではないかと思っています。

 

それはさて置き、星野リゾートさんの取り組み、とても素晴らしいです。早速、熊本にある星野リゾートを予約しようと思い検索したところ、10月までソルドアウトでした。やっぱり凄いですね。