アマゾンプライムで「空海」を観た

 

いまから36年前の北大路欣也主演の映画「空海」。

名作です。仏教に興味もある人もない人も、日本人ならば是非観てほしい映画だと思いました。

 

空海弘法大師と呼ばれ密教を伝えた人、高野山開創をした人。これくらいは知っている人は多いかと思います。

しかし、その時代背景や、空海が成し遂げたことまで知っている人は少ないのではないかと思います。

 

私もこの映画で、唐から帰国後、朝廷からの入京を数年間許されずに、その間太宰府観世音寺に滞在していたことや空海最澄が一時師弟関係であったことなどを知りました。更に曼荼羅十住心論を知り、この時代に東洋では、人間の心理や欲求についてこんなに深いことがわかっていたのか、西洋よりも1000年以上進んでいると感動しました。

 

心に残った言葉

「この世なくして、あの世はないのだ。この世を逃げて、あの世はないのだ。

この世で生きながら仏となれ。幸せをつかめ。成仏するのだ。」

「できる、必ずできる」

「生きる力を呼ぶのだ。生きる力を呼び起こし生きる力にふれるのだ。

この天地宇宙が生きている力とこの体が生きる力は同じなのだ。風が吹くように光が差すように、心の中に風を呼び起こし光を放て」

 

「ここに曼荼羅十住心論がある。人はどのようにして生きながら成仏するかここに詳しく書いてある。低きから高き、浅きから深き、心は様々な模様を描いて変化していくのだ。この変化の様はそのまま我が心であり、皆の心でもある。第一の心は異生羝羊心(いしょうていようしん)。獣のように自らの食欲、性欲のおもむくままに生きる心、人はみな生き物として生まれた以上、誰もが免れ得ない心の模様である。これに目を閉じるものは、色なき景色、体なき人として生きると同じじゃ。生き物はやがて人の道に目覚め、そして仏の教えに出会う。愛欲もまた菩薩の位となる。低きから高き、浅きから深き、ついには菩薩の位になす。人は仏の教えに導かれて、己が救われんと欲し、更には己も人を救い、救われんことを願い、ついには最高の秘密荘厳心に達し、生きながら仏となるのだ。」